犬と暮らすとき、犬の安全を守ることの一つに「犬が食べてはいけないもの」を知っておく必要があります
人間の食べ物の中には、犬が食べると命に関わるものがあるからです
この記事では、食べると命に関わるものや食べさせ方によっては注意が必要なものをまとめてみました
すぐに病院受診が必要なもの
ねぎ類(玉ねぎ・ねぎ・らっきょう・にら・にんにく)
ねぎ類に含まれる有機硫黄化合物「アリルプロピルジスルフィド」が、犬の赤血球を壊す現象を引き起こし(溶血)「溶血性貧血」や「血色素尿症」になります
貧血は重度になると、命に関わることもあります
主な症状:血尿・嘔吐・下痢・体のふらつき・結膜が白っぽいなど
症状出現時間:1日~数日間
ぶどう・レーズン
2001年にアメリカの研究者らによって犬のぶどう中毒が報告されたことが始まりで、日本でも死亡した症例が報告されています(原因物質は特定されていない)
ぶどう中毒によって腎臓に障害が引き起こされ、後遺症として「慢性腎不全」に移行することもあります
主な症状:嘔吐・下痢・尿量の減少・脱水症状
症状出現時間:24時間以内
チョコレート・ココア
チョコレートの主原料であるカカオ豆に含まれている物質「テオブロミン」を、犬の体内で分解・排出する能力が低く、成分が体内に長時間とどまることによって中毒を引き起こすことがあります
主な症状:興奮・嘔吐・下痢・失禁・呼吸が荒くなる・震え・けいれん・意識消失など
症状出現時間:4~12時間ほど
キシリトール
キシリトールは犬のインスリン分泌を刺激する作用があり、インスリン濃度の上昇によって「低血糖」や「肝機能障害」を引き起こすことがあります
主な症状:低血糖による脱力・けいれん・嘔吐・ふらつき・意識消失など
症状出現時間:30分~数時間以内
ナッツ類(特にマカダミアナッツ)
ナッツ類は犬にとっては消化しにくく消化器症状(嘔吐や下痢)を引き起こしたり、脂質が多いので「肥満」や「膵炎」の原因になりやすい食べ物です
特にマカダミアナッツは、中毒を引き起こす事例が報告されています(どの成分が中毒症状を起こすのかは分かっていない)
主な症状:嘔吐・発熱・運動失調(立てない・歩けない)など
症状出現時間:24時間以内
アルコール類
犬は体内でアルコールを分解することができないため、胃や腸で急速に吸収され、脳にも影響を与えます
主な症状:呼吸困難・嘔吐・ふらつき・頻脈・意識消失など
症状出現時間:30分後~1時間程度
病院の指示を仰ぐ必要があるもの
カフェイン類(コーヒー・紅茶・緑茶・ウーロン茶)
カフェインには中枢神経を刺激して興奮させる作用があります
主な症状:頻脈・呼吸が荒くなる・けいれん・嘔吐・下痢など
症状出現時間:30分後~1時間程度
アボカド
アボカドに含まれる成分「ペルシン」が嘔吐や下痢を引き起こす原因になると言われています
また、脂肪が多くカロリーが高いので、「膵炎」の原因にもなりやすいと言われています
主な症状:嘔吐・下痢・呼吸困難・けいれんなど
症状出現時間:1~3日ほど
ぎんなん
ぎんなんに含まれる「メチルピリドキシン」が、神経伝達物質を合成するのに関係している補酵素ビタミンB6の働きを阻害し、中毒症状を引き起こすことがあります
また、丸呑みしてしまい「窒息」や「腸閉塞」の原因となることもあります
主な症状:嘔吐・下痢・けいれん・ふらつき・呼吸困難など
症状出現時間:1~12時間ほど
鳥の骨
生の鳥の骨はよく噛まずに丸のみしてしまうことで「腸閉塞」を引き起こす可能性と、「サルモネラ感染症(食中毒)」を引き起こす可能性があります
また、加熱処理をした鳥の骨はもろく砕けやすいため、縦に割れやすく、細く鋭利な状態になり、食道・胃・腸を傷つける危険性があります
主な症状:嘔吐・下痢・発熱・血便など
症状出現時間:数時間~数日以内
いちじく
いちじくに含まれる「ソラレン」が嘔吐や下痢の症状を引き起こし、「フィシン」というたんぱく質分解酵素が口の中にあるたんぱく質と反応し、大量のよだれが垂れて、「粘膜のただれ」や「口内炎」を引き起こすことがあります
また、ゴム科の植物なので「ラテックスアレルギー」の犬が触らないように注意が必要です
主な症状:嘔吐・下痢・粘膜のただれ・口内炎・脱水症状など
症状出現時間:個人差が大きく、時間については調べることができませんでした
すもも・プラム・プルーン
すもも・プラムに含まれている成分「アミグダリン」が犬の体内の代謝によって分解されると「青酸(シアン化水素)」が発生し、その青酸によって中毒を引き起こすことがあります
主な症状:嘔吐・下痢・けいれん・頻脈・呼吸が荒くなるなど
症状出現時間:個人差が大きく、時間については調べることができませんでした
大量に食べてしまったら病院に相談
生のイカ・タコ・エビ・カニ
これらに含まれるビタミンB1を分解する酵素「チアミナーゼ」が「ビタミンB1欠乏症」を引き起こすことがあります
また、消化の悪い食べ物であり、消化器症状の原因になりやすいです
エビやカニなどは、甲殻アレルギーがでるリスクもあります
主な症状:食欲低下・ふらつき・歩行障害・嘔吐・下痢など
生卵(白身)
生卵の白身に含まれているたんぱく質「アビジン」を摂取すると、「皮膚炎」や「成長不良」などを引き起こすことがあります
アビジンは熱に弱いため加熱すれば白身単体であげても問題ありません
また、卵アレルギーがでるリスクもあります
主な症状:皮膚炎・脱毛・成長不良
加工肉
ハムやソーセージなどの加工肉は塩分や脂質が多く含まれており、過剰に摂取すると「塩分中毒」を起こします
心臓や腎臓に負担がかかり「心不全」を引き起こす可能性が高くなります
主な症状:嘔吐・下痢・多飲・けいれんなど
まとめ:食べてしまったら獣医師さんに相談する
今回調べていく中で、食べてはいけないものや食べれるけど過剰摂取は危険なものなど、不明瞭なものもたくさんあるなと感じました
症状の出方やタイミングも個体差が大きいので、食べたことに気づいたら
「いつ」「何を」「どのくらいの量」
をかかりつけの獣医師さんに相談しましょう
症状がすでに出ている状態の時は
「どのような症状が」「どのくらいの頻度で見られるか」
も合わせて伝えられると、獣医師さんの判断の役に立つと思います
もしもの時は慌ててしまいがちなので、ぜひ覚えておいてほしいです